印刷技術を基本の事業展開について
印刷業には多くの顔があると言えます。印刷会社のホームページをみてみると、目指す方向が様々である事に気づくと思います。
大日本印刷のトップページには「いつも、どこかに。あなたの生活を、そっと包み込むように。」とあって、3つの事業領域(情報コミュニケーション、生活・産業、エレクトロニクス)が示されています。売上構成比では、出版印刷や商業印刷などの情報コミュニケーション部門は45%に過ぎません。パッケージや建装材、情報記録材などの生活・産業部門が33%、ディスプレイ製品や電子デバイスなどのエレクトロニクス部門が18%となっています。
新規事業の中にはエネルギー、ライフサイエンス、環境問題など、「印刷」とは無関係に見える分野もあります。その基本となる事業ビジョン「P&Iソリューション」は、印刷技術(Printing Technology)と情報技術(Infomation Technology)と情報技術(Infomation Technology)の融合により、既存の製品やサービスの枠を超えた解決策を提供する事を意味します。
凸版印刷では「太陽光発電の敵は、太陽光でした。」という企業広告で、「印刷テクノロジー」によって常に事業領域を拡大し続けてきた事を宣言しています。つまり、情報加工、微細加工、表面加工、成型加工の4つの加工にマーケティング・ソリューションを加えた5つのコアテクノロジーを融合・進化させることで、様々なソリューションを実現してきたことを「印刷テクノロジーで、世界を変える。」というメッセージで示しているのです。
同社の売上構成比は、証券・カード関連、商業印刷・出版印刷などの情報・ネットワーク系事業は57%で、パッケージや専業資材、建装材などの生活環境系事業が24%、エレクトロニクス部門が18%となっている。
日本写真印刷の「Trend Meets Technology」は、独自技術をベースにしたソリューションの提供により、色・デザイン・機能に関わる多様な市場ニーズを充足する事を表しています。
同社の売上構成比は、「立体的なプラスチックへの印刷」である加飾技術を柱とする「産業資材」が39%、「機能を印刷」して生産するタッチパネルを主力製品とする「ディバイス」が44%で、出版印刷や商業印刷などの「情報コミュニケーション」は17%に過ぎません。
上場企業30社に限っても、その事業領域が多岐にわたっています。