印刷産業は顧客志向のパートナー企業について
印刷産業は出荷額、事業所数ともに3大都市圏が上位を占める都市型産業という特徴をもつが、人口に対する事業者数で見ると、東京、大阪が上位1、2位を占めるが、人口80.8万人の福井県が事業所数286で3位となり、以下、京都、長野、岐阜と続きます。
産業関連表で確認しても、印刷産業は家計や企業の消費に支えられている事は明らかで、消費の冷え込みが印刷需要も悪化させるという側面があります。特に個人消費と印刷需要の関係で言えば、百貨店売上高とは金額も推移の状況も酷似していると言えます。
「生活関連型産業」として地域密着で成長してきた印刷産業は受注型製造業ではあるが、情報産業の一翼を担い、サービス産業としての一面も持っています。つまり、あらゆる産業を顧客として、販売促進活動や企業イメージの向上など、顧客の目標を支援する機能を担っているからです。インターネットの普及や新しいメディアの台頭といった現状をビジネスチャンスと捉えることで、顧客に選ばれる真のパートナー企業になるための模索が広がっていきつつあります。大手2社を中心に事業拡大の動きが活発で、例えば電子書籍では印刷会社がキープレイヤーになるという見解もあります。また、大手以外の印刷業も既存の事業見直しや多角化を図ってコストダウンや高付加価値化に力を入れています。地域活性化のプロデュースとして、印刷物を中心とした様々なソリューションも多数行われています。